不良姿勢の一種である反り腰は女性に多く見られますが、一見したところよい姿勢に見えることもあるため、自分が反り腰であることに気が付かないケースも少なくありません。
反り腰になると見た目がよくないだけでなく、さまざまな身体的不調のリスクが高くなります。こちらの記事では、反り腰の原因やリスク、および改善法について詳しく解説しています。
反り腰とは
反り腰とは、腰の骨のカーブ(腰椎の前弯)が強くなりすぎた状態を意味します。人間の背骨はもともと緩やかなS字状となっており、腰のあたりで前弯しているのが通常の状態です。
ところが、反り腰になった場合、腰のあたりに見られる前弯が強くなりすぎ、上半身を大きく反らしたような状態になるのが特徴です。意見するとよい姿勢に思われることもあるのですが、上半身を剃りすぎるとさまざまな不調のリスクを高めます。
反り腰の原因
一口に反り腰といっても、その原因はじつにさまざまです。反り腰を引き起こす主な原因としては、以下のような点が挙げられます。
- 筋力の低下
- 過度の筋緊張
- 体重増加
- 座り方
- 身体に合っていない椅子や机
- ハイヒール
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
筋力の低下
反り腰の姿勢になる原因のひとつが、筋力の低下です。とくに体幹(上半身から両手足を除いた部分)の筋力が低下すると、反り腰になるリスクを高めます。体幹の筋肉(主に腹筋や背筋)には背骨を支え、上半身をまっすぐに保つ働きがあります。
体幹の筋力が低下すると、上半身をまっすぐに保つことが難しくなるため、背中を必要以上に反らすことで、上半身のバランスを保とうとするのです。その結果、反り腰の姿勢になる可能性が高くなります。
過度の筋緊張
過度の筋緊張も、反り腰の原因のひとつです。とくに大腰筋(お腹側にある、腰と股関節を結ぶ筋肉)や、大腿四頭筋(太ももの前側にある大きな筋肉群)が傾くと、骨盤が前に傾きます。
骨盤が前に傾いた場合、上半身が前に倒れないよう、後に反らしてバランスを保とうとします。その結果、反り腰になるリスクが高くなるのです。
体重増加
体重増加も、反り腰を引き起こす原因のひとつです。たとえば妊娠後期になると、お腹がどんどん大きく、重くなるため、上半身を後ろに傾けてバランスをとる傾向にあります。
出産後もそのような姿勢が脳にインプットされている場合、反り腰になる可能性が高くなるのです。男性であっても、中年太りにともなってお腹が大きくなるなどした場合、反り腰になるリスクが高くなります。
座り方
反り腰の原因としては、普段の座り方も挙げられます。椅子に浅く腰かける習慣がある方の場合、デスクワークのときに背筋を伸ばそうと、必要以上に背筋を反らしてしまうことが少なくありません。そのような姿勢を続けていると、徐々に反り腰の姿勢がクセになるのです。
身体に合っていない椅子や机
身体の大きさに合っていない椅子や机を使っていると、反り腰になる可能性が高くなります。椅子が極端に低かったり、机が身体に比べて高すぎたりした場合、背中を反らして対応しようとします。その結果、反り腰になる可能性が高くなるのです。
ハイヒール
ハイヒールを好んで履く習慣がある方にも、反り腰が多く見受けられます。ハイヒールを履くと重心が前に移動するため、上半身を後ろに傾けてバランスをとろうとします。
また、ハイヒールを履いていると、太ももの前側に筋緊張が生じ、骨盤の前傾を招きます。その結果、反り腰の姿勢になる可能性が高くなるのです。
反り腰にともなうリスク
反り腰の姿勢になった場合、次のようなリスクの可能性を高めます。見た目だけでなく、健康上のトラブルにつながる可能性もあるため、注意が必要です。
- スタイルの悪化
- 腰部疾患
- 冷えやむくみ
それぞれについて解説します。
スタイルの悪化
反り腰になった場合、スタイルの悪化を招く可能性があります。背中を必要以上に反らすことで、下腹やお尻を突き出した状態になります。その結果、ぽっこりお腹や出っ尻といった見た目の悪化を招くのです。
腰部疾患
反り腰の姿勢を続けていると、腰の骨(腰椎)への負担が増加します。その結果、腰椎椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症といった腰部疾患を発症するリスクも高くなります。
冷えやむくみ
反り腰の姿勢によって腰まわりや下半身の筋肉が硬くなると、筋緊張によって血管が圧迫され、血液の循環が阻害されます。その結果、下半身の冷えやむくみが出やすくなります。
自分でできる反り腰の簡単なチェック法
自分が反り腰かどうか判断できない方は、次のような方法でチェックしてみましょう。立ってチェックする方法と、寝た状態でチェックする方法の2つをご紹介します。
立ってチェックする方法
反り腰かどうかを立った状態でチェックする方法は、以下のとおりです。
- 1.壁に背中を向けて立つ
- 2.かかととお尻、両肩を背中につける
- 3.腰と壁との隙間を確認する
②のときに腰と背中にできた隙間に、握りこぶしが楽々と入るようであれば、反り腰の可能性が高いといえるでしょう。
寝た状態でチェックする方法
反り腰かどうかを寝た状態でチェックする方法は、以下のとおりです。
- 1.床やヨガマットなどにあおむけで寝る
- 2.手のひらを下に向け両腕を身体の横に置く
- 3.腰と床との間を確認する
②のときに腰と床との間にできた隙間に、手のひらが楽々と入るようであれば、反り腰になっている可能性があります。
反り腰の改善法
反り腰は姿勢の問題ではあるのですが、よい姿勢を意識しすぎると、かえって反り腰になる可能性を高めることもあります。反り腰の改善は、次のような方法でおこなうのがオススメです。
- 正しい座り方を身につける
- ストレッチで反り腰の原因となる筋緊張を緩和する
- 椅子と机の高さを調節する
- 寝方を工夫する
それぞれについて詳しく解説します。
正しい座り方を身につける
反り腰を改善するためには、正しい座り方を身につけることが欠かせません。とくにデスクワークの方は、座り方を見直すことで、反り腰を改善することが期待できます。
正しい座り方のポイントは、骨盤を起こした状態で座ることです。坐骨にしっかりと体重を乗せ、上半身に無駄な力が入っていない座り方を目指しましょう。
ストレッチで反り腰の原因となる筋緊張を緩和する
反り腰を改善するには、原因となる筋緊張をストレッチで緩和することも有効です。とくに大腰筋や大腿四頭筋をしっかりとストレッチすることで、反り腰を改善することが期待できます。
あおむけに寝た状態から右ひざを曲げ、右足のかかとをお尻の横につけるようにすると、大腰筋と大腿四頭筋を効率よくストレッチできます。反対側も同様に、30秒×3セットおこないましょう。
椅子と机の高さを調節する
椅子と机の高さを調節することも、反り腰の改善につながります。両足の裏が地面にしっかりとついた状態で、ひざと股関節が90度に保てる椅子と机の高さに調整するとよいでしょう。
寝方を工夫する
反り腰を改善するためには、寝方を工夫することも効果的です。あおむけやうつ伏せ寝は骨盤へかかる負担が大きく、反り腰のリスクを高めるため避けたほうがよいでしょう。
どちらかを上にして横向きで寝るのがオススメですが、横向きだと寝づらいという方は、抱き枕やクッションなどに抱き着くようにして、体重を分散させると楽に寝ることが可能です。
まとめ
反り腰になると見た目がよくないだけでなく、腰痛や冷え、むくみといった身体の不調を招く可能性も高くなります。反り腰の多くは筋力の低下や座り方によってもたらされるため、上半身を無理なく支えられる座り方を身につけることが重要です。
自分では反り腰がなかなか改善できない方は、静岡県浜松市にあるみのり整骨院までご相談下さい。みのり整骨院では、1人1人の反り腰の原因を見極め、オーダーメイドの施術と日常生活におけるアドバイスで、反り腰を根本的な改善へと導いています。