現代人の生活にとって欠かすことができなくなったスマホですが、愛用者の中には原因不明の不調に悩まされている方もいらっしゃいます。もしかしたら、そのような不調はスマホ首が原因かもしれません。
こちらの記事では、スマホ首の危険性について解説するとともに、解消するための方法をご紹介しています。見た目だけでなく、心身の健康にも悪影響を与えるスマホ首は。早めに解消することがオススメです。
スマホ首とは
スマホ首はストレートネックやクレーンネックとも呼ばれており、首の骨のカーブ(頚椎アーチ)が徐々に失われ、まっすぐの状態になることを意味します。
スマホ首の主な原因
スマホ首になる主な原因としては、以下のような例が挙げられます。
- スマホの見過ぎ
- 視力の低下
- 体幹の筋力低下
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
スマホの見過ぎ
スマホ首になるもっともわかりやすい原因が、スマホの画面を見過ぎていることです。スマホを見る場合、一般的には顔を下に向ける姿勢をとるのではないでしょうか。
頭は身体のパーツの中でも重たい場所であるため、長時間にわたって下を見ていると、頭の重荷が首にかかり続けます。その結果、頚椎アーチが徐々に失われ、スマホ首になるリスクが高くなるのです。
視力の低下
スマホ首になる理由としては、視力の低下も挙げられます。視力が低下すれば必然的にスマホへと顔の位置が近づくため、頭の位置が前へとスライドして、スマホ首になるリスクが高くなるのです。
体幹の筋力低下
意外に思われるかもしれませんが、体幹の筋力低下もスマホ首になるリスクを高めます。体幹とは、全身から両手と両足を除いた部分です。代表的な体幹の筋肉として、は腹筋や背筋が挙げられます。
腹筋や背筋の筋力が低下すると、上半身をまっすぐに支え続けることが困難となり、徐々に猫背の姿勢になっていきます。その結果、スマホ首になるリスクも高くなるのです。
スマホ首を放置する危険性
スマホ首になると頭を前に突き出したような姿勢になるため、見た目がとても悪くなります。それだけでなく、スマホ首を放置すると、次のような不調の危険性も高くなります
- 肩こり
- 頭痛
- 眼疲労
- 自律神経系の不調
- 頚椎の変形
それぞれについて詳しく解説します。
肩こり
スマホ首になると重たい頭が前にスライドするため、首や肩まわりの筋肉が緊張して硬くなり、肩こりや首こりを発症するリスクが高くなります。
首や肩まわりの筋肉が硬くなると、血管が圧迫されて筋疎血(きんそけつ)を起こします。筋疎血が起こった場所では、発痛物質が産生されやすくなります。
それがチクチクとした筋肉痛のような痛みにつながるのです。通常なら血液の流れとともに発痛物質も体外へと排出されるのですが、筋疎血状態が続くと発痛物質が留まってしまうため、徐々に肩こりが慢性化していきます。
頭痛
スマホ首を放置する危険性としては、頭痛が出やすくなることも挙げられます。頭の重さが首や肩へかかると筋緊張を招き、緊張型頭痛を発症するリスクが高くなります。
緊張型頭痛の特徴は、首の後ろから後頭部にかけて重だるい痛みが出る点です。また、筋疎血を解消しようと急激に血行がよくなった場合、こめかみあたりにズキズキとした痛みが生じる片頭痛を発症する可能性もあります。
眼疲労
スマホ首を放置した場合、眼疲労のリスクも高くなります。目を使いすぎることが眼疲労の最大の原因ですが、スマホ首を放置すると後述のように睡眠の質が低下するため、目の疲れがなかなかとれにくくなるのです。
自律神経系の不調
スマホ首を放置する危険性としては、自律神経系の不調を起こしやすくなることも挙げられます。最近になって注目されている不調のひとつが、頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)です。
頚性神経筋症候群は、首まわりの筋緊張によって自律神経が圧迫され、心身にさまざまな不調を起こすことを意味します。テレビなどで「首こり病」として紹介されたことがあるのをご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
首には星状神経節(せいじょうしんけいせつ)と呼ばれる「神経のツボ」が集まっており、首まわりの筋緊張によって星状神経節が圧迫されると、身体的不調だけでなく、精神的不調も出やすくなることがわかっています。
最初は睡眠の質が低下したり、疲れやすくなったりする程度ですが、ひどくなるとパニック障害やうつ病など、精神的な不調を引き起こすこともあるため注意が必要です。
頚椎の変形
スマホ首を放置するのが怖いのは、頚椎の変形につながる恐れがあるためです。姿勢の悪化にともなって、首がまっすぐに「見えている」だけであれば、改善の余地があります。
しかし、スマホ首を放置していると、やがて首の骨自体が変形してしまいます。首の骨自体が変形した場合、どのような治療を受けても、まっすぐに戻ることはありません。
首の骨自体が変形してしまうと、年をとってから頚部脊柱管狭窄症(けいぶせきちゅうかんきょうさくしょう)や頚椎症など、頚部疾患を発症するリスクが高くなります。
スマホ首を解消する方法
スマホ首を放置するとさまざまな身体的・精神的不調のリスクが高くなります。そのため、普段から次のようなことに取り組み、スマホ首の解消に努めることが重要です。
- 姿勢を改善する
- ストレッチに取り組む
- 寝具を見直す
- 施術を受ける
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
姿勢を改善する
スマホ首を解消するためには、普段の姿勢を改善することが重要です。猫背の姿勢になると顔が前に向くため、スマホを見ていなくても首の骨がまっすぐに近づいていきます。
椅子に座るときは骨盤を起こし、上半身をまっすぐに伸ばすよう意識しましょう。また、スマホを見るときはできるだけ顔の前に持ってきて、下をのぞき込まないようにしましょう。
ストレッチに取り組む
スマホ首を解消するためには、ストレッチに取り組みのも効果的です。とくに胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)をしっかりストレッチすると、スマホ首の解消につながります。
胸鎖乳突筋は、耳の後ろにある突起(乳様突起)と鎖骨および胸骨を結んでおり、この筋肉が硬くなることで顔が前に倒れ、スマホ首のリスクを高めます。胸鎖乳突筋のストレッチ法は、以下のとおりです。
- 肩を動かさないように意識して右を向く
- そのまま頭をまっすぐ後ろに倒す
- 30秒たったら左側も同様におこなう
②のときに口を開けないよう気をつけましょう。口を開けると、ストレッチ効果が半減してしまいます。
寝具を見直す
スマホ首を解消するためには、寝具を見直すことも重要です。とくに高すぎる枕を使っていると、寝ているときに首まわりの筋肉が緊張するため、スマホ首のリスクを高めてしまいます。首と枕の間に隙間が出ないようにして、自然に寝返りが打てるような枕を選ぶのがオススメです。
施術を受ける
上記のセルフケアでスマホ首が解消できない場合、専門家の施術を受けるとよいでしょう。施術を受ける場合、筋肉や骨に関するプロフェッショナルが在籍している、整骨院・接骨院を選ぶのがオススメです。
整骨院・接骨院では、1人1人のスマホ首の原因を探り、その人に合った施術をおこなってくれます。静岡県浜松市にあるみのり整骨院でも、スマホ首を改善するための施術、および日常生活におけるアドバイスをおこなっています。
まとめ
スマホ首になると、見た目がよくないだけでなく、さまざまな身体的・精神的不調のリスクを高めます。また、放置すると徐々に頚椎自体が変形し、将来の頚部疾患発症リスクを高めます。
そのため、スマホ首が気になる場合、可能な限り早めに対処することが重要です。自分ではなかなかスマホ首を改善できない方は、静岡県浜松市にあるみのり整骨院までお気軽にご相談ください。