交通事故に遭って示談交渉を行う被害者は、心身ともに苦痛を味わっています。それにもかかわらず、示談交渉が円滑に進まない場合は、重いストレスがかかるでしょう。
今回は、交通事故における示談交渉で難航する理由について、さまざまなケースをあげていきます。
1.加害者に問題があるケース
交通事故において、加害者に問題があるために、示談交渉が順調に進まない場合があります。ここでは、代表的な3つのケースを見ていきましょう。
1-1.加害者が任意保険に入っていない
一般的に被害者が受けた損害は、加害者の保険会社が補償してくれます。しかし、加害者が任意保険に未加入で、支払い能力も十分ではないケースもあります。その場合、被害者が十分な補償額を受け取るのことは難しいかもしれません。
1-2.加害者が保険会社に連絡していない
交通事故が起きたとき、加害者が保険会社に通報する義務があります。しかし、加害者が保険会社に通報していなかった場合は、被害者に加害者側の保険会社から連絡は入りません。その場合は、加害者が連絡義務をはたしていないと認識した方がいいでしょう。
加害者が保険会社に通報しない理由はいくつかあります。大きな理由の1つは、事故を起こしたあとでは、次年度からの保険料の支払いが高額になるからです。そのため、保険会社に連絡せずに放置するという選択をとる加害者は少なくありません。事故後、被害者から必要な限り主導権を握って交渉をする必要があるでしょう。
1-3.加害者が示談交渉を無視する
加害者が示談交渉に応じてくれないケースもあります。その場合、交渉が難航することが予想されます。責任感が欠如している加害者の場合は、突然連絡が返ってこなくなることもあるでしょう。
交通事故のあと、反省を見せずに不誠実な加害者は、被害者が泣き寝入りすることを狙っている可能性があります。最初は丁寧に対応していても、あとから連絡を無視するようになる加害者も少なからずいますので、事故後すぐに加害者が保険会社に連絡するように要求した方がいいでしょう。
2.加害者の保険会社に問題があるケース
被害者は、加害者が加入している保険会社と連絡を取り合う機会が増えます。その保険会社とのやり取りで、示談交渉が難航するケースもあります。
2-1.過失割合や示談金額に納得がいかない
示談交渉の際、双方が加害者と被害者の過失割合や示談金額に納得いかない場合は、難航する可能性が高くなります。
過失割合において被害者と保険会社とで見解の相違がある場合があります。その際には、交通事故の根本的な原因を検証することが重要です。しかし証拠が乏しく事故の原因を立証することが難しい場合もありますので、十分注意してください。
示談金額が被害者側の要求金額と保険会社側の提示金額に差がある場合にも、交渉は難航する可能性が高いです。その場合は、双方が納得する金額が出るまでには長期的な交渉が必要になります。
2-2.保険会社の対応が遅い
保険会社の対応に問題があるために、示談交渉に時間がかかることがあります。保険会社では1人の担当者が複数の案件を抱えていますので、それぞれの案件に対して迅速な対応に対応することが難しいケースもあります。
3.その他の理由で示談が難航するケース
ここでは、加害者側の問題以外の理由で、示談が難航するケースを見ていきましょう。
3-1.治療が長引いている
一般的には、被害者側が医療機関により完治の診断をされたあと、または後遺症の症状固定の診断を受けてから後遺障害と認定されたあとに、示談交渉が開始されます。
交通事故で負ったケガの治療が長引いている場合、保険会社から示談交渉を開始するように要求されるケースもあります。しかし、それに応じる必要はありません。まだ痛みがある場合は、最後まで治療に専念した方がいいでしょう。
一度示談が成立すると、追加で損害賠償をすることが非常に困難になります。基本的には治療中の段階で示談交渉に応じることはとても危険がと認識した方がいいでしょう。あとから後遺症や後遺障害が生じた場合には、一度示談金が決まったあとでは、追加の損害賠償を請求することが難しくなります。
3-2.被害者側が気持ちを整理できていないまま示談交渉をしている
交通事故後、被害者側は気持ちの整理がまだついていないこともあります。
どんなにいい示談条件が出たとしても、被害者が冷静な判断能力を失っている場合は、示談が難航するでしょう。そのため、示談交渉が必要以上に長引いて、いい示談条件を逃してしまう結果になります。
4.まとめ
今回の記事では、交通事故後に示談交渉が難航するさまざまな理由について説明してきました。示談交渉をするためには、加害者と被害者が話し合いをする必要があります。どちらかが納得いかないときには、示談が成立するまでに時間がかかります。
交通事故後の治療とそのサポートを受けたい場合は、浜松市にある「みのり整骨院」までご来院ください。当院では、治療の他にも事故後に必要な示談交渉についてのアドバイスにも力を入れています。示談で難航している際は、患者さんの助けになるように全力でサポートします。